國分 依存症や孤立に陥っている人の「助けて」が言えない性質、つまり援助希求能力の低さというのは他人事ではなく、僕自身もこの問題の当事者だと思っています。……(中略)……ワーカホリックも僕自身にとって深刻な問題です。……(中略)……相談もうまくできないし、仕事の成果だけが自分の支えになってしまう。本当はもっと周りに支えを求めてもいいはずなのに、うまくできなくて苦しい思いをするのは僕自身も経験しています。
<対談>孤独・孤立と人のつながりを問う(國分功一郎・松本俊彦)
冒頭の対談を読めただけでも価値があった。
「孤独」「孤立」という言葉からイメージされるものは、おそらく人によってかなりばらつきがあって、対策するにしてもさまざまな方法が考えられるのだと思うけれど、だからこそ、困っている人たちの毎日を具体的に想像している(させてくれる)話のほうが、芯を食っていて面白い。
何事もそうだけど、漠然と捉えられた問題はどうしても机上の空論っぽくなってしまうというか、仮想敵と闘う感じになってしまう。